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    メールマガジン 「語りあおうか、手話について」
                           (「語ろうか、手話について」増刊)
Extra No. 6                                          2000年11月18日発行
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  久しぶりの増刊号です。

  今回は2ヶ月分ぐらいの間に届いたご意見をご紹介します。
  なお、ご紹介するご意見は編集してありますのでご了承下さい。

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  まずは、No.12,13(2000/9/20,27)の「聾学校で手話を使わない理由」に寄せ
られたお便りです。

    ある教育大学の言語障害児教育専攻の学生さんから
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    「養護・訓練」のことです。私もあまり詳しくはありませんが、「養護
    訓練」は、2,3年前くらいに(もしかしたら去年かも)「自立活動」とい
    うものに変えられました。内容的には「養護・訓練」の時ともしかする
    とあまり変わっていないのかもしれませんが、(それは各ろう学校によっ
    て違うと思います)でも、口話訓練だけではないはずです。最近では「
    FAXの使い方」や「補聴器の使い方」「就職試験の面接の練習」など、よ
    り具体的な内容に変わってきていると聞きました。

      それから、ろう学校で手話が使われない理由は、もう一つあります。
    それは、ろう学校の教員になる人は、必ずしもろう学校教員養成課程を
    卒業しているわけではないと言う事です。現在ろう学校の教員免許が取
    得できる大学はそんなに多くはなく、どうしてもろう学校の教員免許を
    持っている人だけでは足りなくなってしまいます。そこで、ろう教育に
    ついて全く知らない先生がろう学校に赴任してくるということがよくあ
    ります。というか、実際ろう学校で働いている先生の中で、ろう学校の
    教員免許を持っている先生の方が少ないと思います。
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  私の至らないところを補足するご意見をありがとうございました。

  先月、「養訓」については京都聾学校を見学した際に、聾者の歴史について
も勉強していると聞きました。今では色々な内容が取り入れられているようで
す。

  教員の配置については、日本聴力障害新聞の連載が詳しいですね。11月号で
5回目となっています。記事は人事異動から聾教育の専門性に言及されていま
す。手話を習得する時間を考えると、3年程度で異動するのは期間が短いので
はないかというものです。全く手話を知らない人が教員になること、聾学校に
赴任しても3年で異動となってしまうのでは、教育に手話を取り入れるのは当
然難しくなりますね。

  教育問題は手話だけに限らず色々あります。これからもご意見をお待ちして
います。(掲示板も活用して下さい。)

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  次は群馬県の匿名希望、Kさんのお便りです。
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      9/27号の 『語ろうか、手話について』を読んだんですけど、もう一
    つ手話が使われなくなった原因と言うのがあると思うんです。

      僕も経験しています。
      実は、昔、手話が嫌いだったんです。今は本当に好きなんですけど。
      というのは、今の若い聾者は、僕が見てきた限りでは、自分が健常者
    と同じようになんでもできると考える人も多いんですよね。実のところ
    健常者に何もかも劣っているわけじゃないんですよね。耳が聞えないと
    いうだけであって、身体的な体力、知能的な問題は全然ないんです。 

      ところが、健常者は聾者ときくと、知的に問題があると考えるんです。
    僕の高等部にいた時の同級生の人は12人のうち、5人はもともとは健常
    者の中学とかに通っていたんです。そのうち、三人は中学を卒業してか
    ら聾学校の高等部に入ったんです。その時、中学の友達に聾学校に行く
    ことになったといったら、友達の大半はその人から離れていったそうで
    す。聾学校は、知的に障害もあるんだよ、とか、いろいろいわれている
    みたいです。

      あと、電車とか、バスの中で、友達と手話で話していたら、周りの人
    はジロジロ見るわけです。手話に興味を持つ人もいるとおもうんですよ
    ね。僕はあまり気にならなかったんですけど、聾者の中には、手話で話
    す時に人の目が気になると言う人もいるんです。

      つまり、他の人の目から見れば、聾者というのは普通の人よりも劣っ
    ている、身体的にも、知能的にも・・・。だから、それを聾者は知って
    いるから、手話で会話をするよりも、声だけで話すほうが健常者に近い
    と感じるんです。そのほうがかっこいいと感じるんです。僕も昔は健常
    者と同じだ!というような感じでした。

      全部を一言でまとめるならば、聾者が「健常者に対するあこがれ」
    または「自分のプライド」といった感じもあるかもしれません。

      以上が、僕の経験からの情報です。役に立ててください。間違ってい
    るかもしれないし、地方によっても変わるかもしれません。
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  経験談をありがとうございました。いまだに存在する社会が障害者への差別
意識を痛感します。手話が堂々と話せるようになったのはつい、ここ数年のこ
と。その前にはじろじろ見られることはよくありましたし、いまでも時々はあ
りますからね。

  それから、この話を聞いて思い出すのが、聾学校で厳しい口話教育を受ける
うちに健聴者が神様のように思えてくる、という話です。障害者への差別とい
うのは、様々な形で出てくるものだなと思います。そういうことに気がつくか
気がつかないか。もうちょっと社会全体の資質の底上げが必要かな、と思いま
す。

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  この数ヶ月の間に、色々興味深いご意見を頂いたのですが、その中から2つ
だけご紹介しました。掲示板などを利用して、さらに議論が深められればと思
います。掲示板のアドレスは http://www64.tcup.com/6411/tokudama.html で
す。どうぞよろしくお願いします。

  では、また水曜日に会いましょう。

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