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               メールマガジン 『語ろうか、手話について』

No. 52                                              2001年 6月27日発行
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  みなさん、こんにちは。記念すべき1周年です。
  今回、自然言語処理の話だと思った方には申し訳ありませんが、この記念す
べき1周年を記念して、わずか1年ではありますが、この1回分の使って、振り
返ってみます。(前回は難しすぎたって感想もありましたので、今回は中休み
です。)

  それから、今回からしばらくの間「語ろうか」読者のくぅこさん謹製のヘッ
ダを使います。くぅこさん、たくさんの力作を、どうもありがとうございまし
た。

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  メルマガというメディアが登場して、かれこれ数年たちます。最初は「単な
る同時メール配送じゃないか」と、私もたいした注目はしていなかったのです
が、「まぐまぐ」がとても巨大なシステムになり、そのコンテンツが増えてい
くにつれ、とても無視できなくなってきました。生活から政治、個人の趣味ま
で、多種多彩のメルマガは、すでに社会資産となりつつあります。

  そんな中、福祉関係のメルマガも生まれました。介護保険のメルマガは沢山
あり、なんでこんな役に立つ情報が無料で流れるのか不思議に思うぐらいのも
のもあります。手話に関するものもいくつかあったような気がします。今は「
手話」で検索をかけても我が「語ろうか、手話について」のみがひっかかると
いう寂しい状況ですが。

  私としては、手話を切り口として色々な社会現象を語ってきたつもりです。
というのも、手話というと、必ず福祉とかボランティアという視点で書かれた
文章ばかりという気がします。例えば、本屋では手話の本がどのコーナーにあ
るでしょうか? 介護保険や障害者教育など、福祉分野のコーナーにあることが
多いと思います。私は、手話だから福祉、手話だから障害の話というのは苦手
です。私自身はろう者ではなく、どちらかといえば障害とは無縁の世界の人間
です。そんな私が障害者について、心の奥底から理解するなんてことは、やは
り、とても難しい。「そうか、そういうことか」と思った次の日に、「ありゃ
りゃ、まだわかっていないや」なんて気がつくことはよくあります。だから、
私にはよく本屋で売っているような手話の啓蒙本のようなものは書こうとして
も書けません。例えば忍足さんのエッセイみたいな本。とてもとても、私には
感情を込めた文章なんて書けません。でも、たまには、他人事のような視点か
ら見た話もあっていいんじゃないかな、と思って書いております。

  過去のタイトルを見てみると、我ながら、色々と幅広く書いてきたなと感心
ます。私が最も重要で基盤と考えるサークル活動(No.1,32など)に始まり、手
話の勉強法(No.4,5など)、全通研(No.42)など、手話活動の王道とも言える面
はひととおり語ってきました。そして、過去も振り返りました。道路交通法
(No.11)、蛇の目寿司事件(No.9)、民法改正(No.41)。充実しているとはいいが
たくても、間違ったことは書かなかったつもり。もし、興味があるなら、今後
各自で調べられる程度の情報は送れたと思います。そして、ろう教育もちょっ
と話しました(No.12,13)。ただ、あまり専門ではないので、今後、誰かの協力
を募って、改訂したい原稿ではあります。手話そのものについて、学術的面か
ら色々と語ってみました。言語学から、脳生理学(No.43)から、そして工学
(No.48)から。特に日本手話と日本語対応手話(No.16-19)、それから表情が手
話かどうかの話(No.22)は、内容の正確さはさておき、これだけ言いたい放題
の文書は他に見あたらないと自負しています。今後、検証を含めて、真の専門
家へのインタビューもしてみたいとは思っています。

  他のどのメディアでもやっていない話として、特許と手話技能検定がありま
す。私としては、この2つはとても価値がある物だったと思います。特に手話
と特許についての記事は日本で最初ではないかと思います。全然注目されてい
ないようですが、メルマガというのは、日付が記録として残るメディアなの
で、例えば10年後、20年後、2000年当時、すでに手話と特許について言及して
いた記事があったと、再発見される日が来るといいなぁ、と思っています。
なんじゃないですかね。わかりにくい記事だった

  私自身の過去を振り返り、情提や映画上映の話もしました。人によっては、
「何をこの程度で」と思ったかもしれませんし、逆に「なるほどねぇ」と思う
ところもあったのではないでしょうか。石川の情提は、結果としてできたもの
は私はあまり成功したとは思わないのですが、それを含めて、ここまで赤裸々
に裏舞台をばらしたのは意味があると思います。資料や新聞にはうまくいった
面しか出ませんからね。もうちょっと整理して再配信すれば、とても役に立つ
資料になるのではと思います。

  現在、自然言語処理からの手話について解説中です。これは日本唯一、そし
て世界的に見ても、最先端の話だと自負しております。長丁場になりますが、
どうぞ最後までおつきあい下さい。再開は来月中旬になる予定です。

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  繰り返しになってしまいますが、「語ろうか、手話について」の長所は広く
浅く論じてきたことだと考えています。一つ一つのテーマならば、いくらでも
良い資料があります。通訳者論なら全通研の書籍にはかなわない。歴史書なら
全日ろう連の書籍にはかなわない。言語理論なら、手話学会の論文にはかなわ
ない(たまにひどいのがあるけど)。生活面では、市販のエッセイ本にはかなわ
ない。でも、無料でこれだけの話が読めるのはすごい事じゃないでしょうか。
これだけ幅広く語ってこれたのを誇りにしています。
  だから、人によっては、絶対当たり外れがあるはずです。でも、そこをぐっ
と飲み込んで、読んで欲しいです。そして、いつか、あーあの話、役に立ちそ
うだと思ってもらえれば幸いです。興味があれば、深く文献にあたって欲しい
です。「語ろうか」は水先案内人です。その先は、皆さん自身で深めて欲しい
と思います。そして、できれば、再度「語ろうか」に意見や文句の形で反映し
てもらえると嬉しいです。

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  私は手話通訳者でも、福祉職ではありません。平日はコンピュータを相手に
プログラムを組んでいます。親兄弟、親戚にも聴覚障害者はいません。隣近所
にもいません。つまり、手話とは全く関係ないところにいます。手話から離れ
た世界にいます。

  そんな私だからこそ、手話を見ると、面白いなと思ったり、変だなと思った
りするわけです。逆に違う世界にいるから、これだけ無責任に放言できるので
はないかとも思います。

  最近、「プロケースワーカー 100の心得(柴田純一著、現代書館)」という本
を読み終わりました。ここにこんな一節があります。

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    この程度の私が、こんなことを言っていいのだろうかと思いながら書き進
  めてきた。(中略)ただ、一方でこの程度の自分が言うからこそ意味があるの
  だという思いもある。誰が見ても立派に仕事をこなしてから発言しようなど
  と考えていたら、いつまでたっても誰も何も言えないだろう。念のために
  言っておくが、私は結構いい加減な男だ。仕事もこんなにやっているぞと言
  うつもりは全くないし、むしろこの程度のことしかやっていないのは本文の
  通りだ。しかし、そういうことではなくて、この仕事、この制度、一言で
  いって「よく黙ってやっているね」というところだ。
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といいながら、この著者の柴田さんは東京社会福祉士会理事だったりします。
しかし、過去に土木部にいた経験があり、その経験が福祉での仕事に生かされ
ています。

  私にも、まさにこの心境があります。いや、私なんかは仕事も半人前で、通
訳者でもないし、福祉職の経験もありません。門外漢で他人事。でも、だから
こそ言えることが多いと思います。サークルは社会的にどんな風に見られてい
るのか? 手話が一般社会からどのように見られているのか? ろう運動がどんな
に特別なことなのか。端から見ていると、色々気がつくことがあります。日本
人よりも、外人の方が日本の風習によく気がつくのと同じ事です。

  もう一つ、私は就職を機会に、今まで大変お世話になった人と離れ、別の場
所で活動することになりました。さらに今も仕事の内容が変われば、すぐにで
も今の活動場所を離れなければなりません。とすれば、私が今の環境で今の周
囲に貢献できるのは、わずかな時間です。一期一会、常に全力で、本音でやっ
てみたいという気持ちがあります。将来の禍根を気にしてできないような思い
切ったことができるのも、私の特権かと思います。

  そんな私が語っているにすぎない「語ろうか」です。皆さんはもっと言える
はずなのです。是非、「語ろうか」への参入をお待ちしています。

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  私の周りにいる人はかわいそうだと思います。私と会う人は、私より年上な
らば豊富な経験と知見を求められて、専門職ならば専門知識を求められ、役職
付きなら指導力と実行力を求められるのですから。こんな、わけのわからない
人間を相手にしている&していた石川や千葉の手話サークルと全通研、ろう協
の人たちの苦労は並大抵なものではないように思います。
  手話サークルで10年以上も活動して、全通研にもいて、言語処理を修めた男
が、ろう協や難聴協会や手話技能検定協会に対しては、しらばっくれて、難題
をふっかけてくるのですから、相手にする方はたまったものではないでしょ
う。

  ビビって下さい。でも、安心してください。私は自然言語処理学以外のこと
は、広く浅くしか知りません。だから、私は、まだまだたくさんのことを皆さ
んに教えて欲しいです。これから、まだまだたくさんのことを質問します。今
後ともどうぞよろしくお願いします。

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  今週は1周年と言うことで、感想みたいなものでお茶を濁してしまいました
が、次回から再配信を含めて、いつもの「語ろうか」に戻ります。次回は再配
信の予定です。自然言語処理の話はなかなかすっきりとまとまらないので、再
開は2週間ぐらい後になってしまいます。期待している方も、いない方も、し
ばらくお待ち下さい。

  それから、参考にしたいので、今まで一番面白かった話と、面白くなかった
話の番号(No.)を掲示板にでも投稿して下さい。掲示板のアドレスは、
  http://www64.tcup.com/6411/tokudama.html
です。あまりかしこまらずに「特許の話はつまらなかった。以上」なんて感じ
の1行投稿でも構いませんので、色々と意見をもらえれば嬉しいです。

  来週はいよいよ7月。月末は大阪の全通研学校です。全通研流の言語学が聞
けるそうなので楽しみです。あの手話研究所所報に異様なまでの音声言語学を
連載している人が講師だそうですので、どんな質問をしようか、今から楽しみ
です。

  では、また来週。

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