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             _/_/ メールマガジン 『語ろうか、手話について』   _/_/
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No. 85                                              2002年 8月 7日発行
ミ☆ミ☆ミ☆ミ☆ミ☆ミ☆ミ☆ミ☆ミ☆ミ☆ミ☆ミ☆ミ☆ミ☆ミ☆ミ☆ミ☆ミ

  皆さん、こんにちは。学校は夏休みに突入し、レンタルビデオ屋に行くと、
面白そうなものは、ほとんど貸し出し中になっている今日この頃、いかがお過
ごしでしょうか。最高温度を記録するような連日暑い日を続くと、気を抜くと
溶けてしまいそうです。

  そんなわけで、私は一足早く夏休みをもらい、手話を始めて勉強し、そして
貴重な経験をさせてもらった石川県に来ています。まだ、2日目なのに、ネタ
いっぱいです。こりゃ、今月中に増刊号ができるかもしれませんね。いや、是
非、そうあるように努力しします。

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  ところで、ちょっとえらいことになりました。皆さんには関係ある話ではな
いのですが、実は、今回のメルマガ「語ろうか、手話について」は、予定外の
配信です。本当はもうちょっとお休みを頂こうと思っていたのですが、ウィー
クリーまぐまぐ[増刊号] (2002/07/27号)の『おお!心の友よーーー仲間づく
り特集号☆彡』で、このメルマガが「人づきあいのコツ」という欄で紹介され
ていたのです。それまで、登録者が950名止まり。それが2ヶ月ぐらい続き、そ
して自然言語なんて理屈づくしの連載なんてやってしまったから、900名を切
りそうな状態でした。「あぁ、このまま1000名を越えずに終わるんだなぁ。」
と思っていたら、紹介されてから、あれよあれよという間に、1000名を突破。
今は、1100名を越えてしまいました。そこまで期待されると、のんびり休んで
いられない、というサービス精神と、貧乏暇無し精神がむくむくと動き出し、
今回の原稿となりました。まだ、半分、休み中なので、ちと、無駄話が多いの
ですが、それはそれ。新しい200名ぐらいの方々には、持ち味と思って読んで
くださるようお願いします。

  それにしても、「語ろうか、手話について」の紹介は「人づきあいのコツ」
という欄に入っていました。人づきあいのコツ... コツなのか。そんなこと書
いてたっけ? 私の一番苦手分野のような気がする。どちらかと言えば、「異文
化コミュニケーション」とか「趣味の仲間(文化系)」の欄の方が、適切がなん
じゃないかなぁ、と思ったりしています。だいたい、私のような引っ込み思案
で人見知りする人間が、人様に、人づきあいのコツを教えるなんて、恐悦至極
に存じます。

  今回の石川の旅でも、それを痛感することがあったのですが、それは次回の
お楽しみとして、今回はちょっとした、常識のウソ、を語ってみます。

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  手話でろう者と話をしていると「人づきあい」というより「異文化コミュニ
ケーション」という方がしっくりきます。手話が言語であり、日本語とは違う
ということを実感するのです。

  異文化と言うことは、健聴者と何か違うと言うことになりますが、たまに、
こんなことを聞きます。

  -  ろう者の会議は長い
  -  ろう者の話はあちこち飛ぶ。(本題からすぐずれる)

  私も手話を始めてから4,5年目ぐらいの時に、そう思いました。4年より前は
手話で会議ができなかったので、そんなことを思う余裕がありませんでした。
そして活動が本格化した4年目あたりから、上記のようなことを感じるように
なりました。しかし、6年目ぐらいから、こう思うようになりました。

                     健聴者も同じじゃん

ということで、この2点を私なりに結論した経緯を検証してみました。

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  まず、ろう者の会議が長いという話について。
  確かにろう者の会議は長くなる傾向にあると思います。どこぞの公民館で会
議をしていて、最後に追い出されるのは我々です。夜のサークルの後でファミ
レスなんかに行くと、12時過ぎ、つまり、次の日になるまで話をしていたりし
ます。とにかく話は長い。でも、よくよく考えてみると、いつも必ずというわ
けでもありません。すっぱり終わる時もあります。数は少ないですが。

  会議が長くなるのは、それだけいつも話し合う内容が濃いのだと思います。
ファミレスで話が長引くのは、いつも盛りあがるからです。健聴者だって話が
盛りあがればいくらでも長引くでしょ。手話で話をしていると、その頻度が高
いということだと思います。

  これは昔、ある人から聞いたのですが(名前は失念)、ろう者の話が長くなる
のは、普段あまり手話で話せないから、手話サークルのような場で日頃話せな
い分を話すんだ、と。日頃のうっぷんを晴らすかのように話すのだと。これは
かなり説得力のある話だと思いました。ろう者は、コミュニケーションの問題
から、職場では孤立していることが多く、その分、手話が通じるところでは、
話したくてしょうがないんだろうなと思います。

  それと、手話サークルの後が長いというのは、手話サークルに参加している
ろう者が外向的な性格の人だというのもあると思います。ろう協などの会員数
を見れば、かなり沢山いるはずですが、サークルに来る人は数人です。この人
達は、やっぱり、性格的に外向的な人が多いと思うのです。だから、話もうま
いし、盛りあがるし、長くなるのは仕方ないでしょう。

  と、これまでの話を振り返ってみると、別にろう者に限らず、同じ状況は健
聴者だけの集まりでもありますし、そうなると、別にろう者に限った話でもな
いよな、と私は結論したわけです。

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  次に話があちこち飛ぶということ。これは手話と言うよりは、ろう者の特性
ではないかと思います。これは、正直なところ、私から見ると、認めざるを得
ない。でも、理由はあるし、そうでなくなる可能性が十分あるので健聴者も同
じじゃんと結論にたどり着きました。

  さて、一般に、現在、手話が母国語となっているろう者は40歳以上が主流で
学力的にも、ほとんどがろう学校まで。大学を出た人は珍しい状態です。つま
り、あまり議論とか、建設的な話し合いというのに慣れていないわけです。だ
から、枝葉末節な事に気を取られて、話がドンドンずれていってしまうのでは
ないか、と私は思うわけです。逆に高学歴のろう者ならばどうなるか? そうな
ると、私の印象では、ジャンプはないような気がします。まったくないとは言
いませんけれども、健聴者並、つまり、普通です。現時点では、なかなかそう
いう場面はお目にかかれないと思いますが、手話学会とか、聴コン会とか、学
歴の高い人の集まる場では、話が飛ぶことは少ないなぁ、と感じます。ま、あ
くまでも、私の印象と仮説ですが。

  今は、ろう者でも大学に行くのは普通になりつつあるので、これからは「ろ
う者は話が飛ぶ」なんて言われなくなると思います。

  で、少し話を戻しますが...

  話が飛ぶというのは、ろう者のせいだというのは酷な話で、ろう者が受けて
きた教育とか、生活環境とか、そういう部分に問題があったことも関係がある
わけで、そういうことを知るのは、まさに異文化コミュニケーションだし、そ
れぐらい受け入れる余裕が欲しいものです。ま、せっぱ詰まった会議で話がそ
れるのは勘弁して欲しいこともあります。集会の討論の柱を検討している時に
昼飯の弁当の話になって、試食会の日程を決め出す、なんてのは、その代表的
な例ですね。よくあることですが。でも、健聴者でもそういう脱線気味の人い
ますからね。ろう者だからってこともないような気がします。

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  というわけで

  -  ろう者の会議は長い
  -  ろう者の話はあちこち飛ぶ。(本題からすぐずれる)

  この噂が出てくる背景はわからんでもないけど、やっぱり、誤解の部分が大
きいな、と結論づけてます。私見ですが。

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  始めて、このメルマガを読んだ方、いかがでしたか?
  こんな風に、このメルマガ「語ろうか、手話について」は手話やろう者をネ
タにして、色々な社会的側面を独断と偏見で見ていきます。ご意見、ご感想、
文句、苦情は以下のアドレスで受け付けてします。

  ということで、月刊ですが、本当に月刊かどうかは私自身の体調次第(--;)
  次回配信は気長にお待ちください。

  それでは、ごきけんよう。

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