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    メールマガジン 「語ろうか、手話について」

Note. 7                                             2004年 7月21日発行
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  皆さん、こんにちは、語ろうかの徳田です。

最近の「語ろうか」は、ぼやきばかりだったので、今回は少し趣を変えた話で
す。ただ、よくよく考えると、今回書いていることは、手話とほとんどつなが
りがありませんでした。こういう世界にいると、たまに障害やら福祉やらをご
ちゃまぜにしてしまう人がいまして、私としては、ここは純粋に手話と聴覚障
害だけに話を絞ろうと思っているのです。が、しかし、これはNoteシリーズで
すし、私の中では手話と関わる中で、彼女のことを知ったので、どうぞ、ご容
赦ください。(なんか、いいかげ〜ん!)

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  さて、本題。
  今頃気がついたのか、と言われるかもしれませんが、雪絵ちゃんが亡くなっ
たことを先日知りました。「ちゃん」なんてつけてますが、実は私より1歳年
上。それを知ったのも、先日です。知らないってのは恐ろしいものです。

  約1000人の「語ろうか」の読者の皆さんのうち、なんのことかわからないひ
とが999人だと思いますので、順を追って説明します。

  笹田雪絵さんは、多発性硬化症という病気持ちの人です。結局、彼女には会
わなかったので、私もそれ以上のことはよくわかりません。でも、彼女のこと
は、誰でもよく知ることができます。それは、彼女のエッセイを読めばいいか
らです。

  バックナンバーで「語ろうか」のNo.40に書いてあることと重複しますが、
1995年、映画「どんぐりの家」の上映会の話が私が住んでいた石川県で突然持
ち上がりました。県サ連(石川県手話サークル連絡協議会)の事務局で動いてい
た私は巻き込まれる形で(お世辞にも自主的とは言い難く...)この活動に参加
しました。
  その上映会の中心人物のうちの一人が、何の気なしに雪絵さんのエッセイを
事務局会議に持ってきました。確か、皆さんにもちょっと目を通して欲しい、
といったことだったと思います。そのときのエッセイ集は、まだ製本したもの
ではなくて、小学校で作られる文集のようなもので、見た目は地味なものでし
た。なぜか、それは私に引き取られ、しばらく文書の山に埋もれていたので
す。

  ある時、ふと目にとまって、「そろそろ、誰かに回さないとイカンよなぁ。
全く読まないというわけにもいかないなぁ。」と思い、ちょっと読んだら、そ
りゃ、その衝撃たるや、すごかった。エッセイ、というか、これは詩の領分だ
と思うのですが、詩で感動したのは2回目ぐらい。もっとも、1回目に感動した
詩なんて、このときの衝撃でなんだったのか忘れるぐらい感動しました。

著作権の絡みがあるので、ここに直接、雪絵さんのエッセイは載せられません
ので、以下のページをご覧ください。

  雪絵ちゃんの気持ち (山元加津子先生のホームページより)
  http://www005.upp.so-net.ne.jp/kakko/yukie/yukie.htm

  この中では「ありがとう」は、初期の代表作としてあちこちで取り上げられ
ていますが、私もやられました。言葉が平易すぎるのに、その力がとてつもな
いんです。不自由なことについて諦めではなく前向き。それも「倒れる時も前
のめり」なんていう勇ましい前向きさではなく、北風と太陽の太陽のような前
向きさ。同じ人間として、ここまでの境地に達することができるのかと。いや
もっと適切な言い方があると思うのですが、私の貧弱な語彙では、ここらへん
が限度です。

亡くなったの2003年12月26日。昨年末です。私はそのとき何をしていたか、過
去帳を読んでみました。お年玉が欲しいなんてつぶやいていました。しょーも
ない人生を送っていると思いました。情けないです。

  雪絵さんのエッセイは、2冊の本になっています。流通にのっていないよう
なので、Amazonでは買えませんけど、ちょっと苦労して手に入れれば、人生変
わるかもってぐらいの宝物になりますよ。

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では、次の「語ろうか」をお楽しみに。

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