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    メールマガジン 「語ろうか、手話について」

Note.20                                             2004年11月17日発行
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  皆さん、こんにちは。

  「語ろうか」はまぐまぐのシステム上、遅くても2日ぐらい前には配信登録
してしまうので、時候の挨拶がずれてしまう時がありますが、最近は大ニュー
スが多くてそれが顕著です。ということで、挨拶抜きでいきます。(単にネタ
がないだけだったりして...)

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  今日の話は、関東の全通研30周年記念フォーラム。午後の映画字幕制作者、
戸田奈津子さんの講演のことです。字幕の話だったんですけど、言葉の端々に
本当に映画が好きなんだなぁ、ってことが感じられる人でした。世間では、ト
ダナツの字幕はわかりにいとか、誤訳ばかりだと批判する人はいますが、こん
な映画好きな人がひどいする仕事するわけなくて、そういう批判の大部分は揚
げ足取りだよな、と思ってしまいます。まぁ、たまにはミスもあるんでしょう
けど。

  さて、講演の後での質問コーナーでは、珍しくかなり良い質問が飛び出した
ので、それを取り上げます。

  まず月並みですが、翻訳の能力は、英語の力も大事ですが、それよりも日本
語能力が大切で、それはどうやって身につけたのか、という質問がありまし
た。答えは、ひたすら本を読んだそうです。良い文章を読むこと、過去の名作
を読むことがとても役だったそうです。また、今でも使う辞書の中で、一番手
垢がついているのは英和ではなく、国語辞書とのことです。

  注目したいのは、もう一つの質問で、講演の中で字幕翻訳者は20名しかいな
いという話があったのですが、その人達はどうやって養成されたのか、という
質問です。これは手話通訳の世界では後継者を育てるのが大変だ、ということ
に関係して出された質問なのですが、意外にも字幕の世界を鋭くえぐることに
なりました。

  まず、字幕翻訳者の世界はとても小さく、しかも日本独特な世界とのこと。
他の国では、あまり需要がないらしく、字幕翻訳者という職業が確立している
のは日本ぐらいなんだそうです。で、その職業集団は、いまのところ約20名し
かいないとのこと。正確には、20名しか必要ないそうです。

  というのも、映画の世界は、派手なように見えて、実はカツカツ。字幕製作
に支払われるお金なんてすごく安く、1ヶ月に2〜3本はこなさないと生活でき
ないそうです。ハリーポッターとかたくさんの映画館で公開されるのはごくご
く一部で、大部分の映画は単館上映で2週間ぐらいなんてのはざら。そんな映
画に字幕をつけるとなれば、かなり安いのは明らかです。そして、日本で公開
される外国映画は年間約500本。ということで、計算すると、

  20人 x 12ヶ月 x 2本 = 480

ほら、ちょうど公開される数ぐらいでしょ。つまり、20人より多くなれば、誰
かが食いっぱぐれる。少なくても困るけど、なりたい人は映画好きを探せばい
くらでもいるから、わざわざ養成する必要はなく、自らの生活を守るためには
逆に多くならないようにしないとならんというわけです。

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  こんな話を聞かせれて、さて手話通訳のことを考えると、生活できている人
が少ないけど、それはすでに価格破壊されしすぎているわけですよね。映画な
ら単に字幕がつかない、公開しないだけで済んじゃいますけど、通訳が必要な
のにつけられないでは、済まないですからねぇ。
  手話通訳になりたい人がどんどん出てくるのは、字幕制作者と似ていますけ
ど、そこからプロフェッショナルへの道があるかどうかは、すごく隔たりがあ
るなと思いました。

  字幕と通訳には共通点が多いだろうということで企画された講演でしたが、
最後の養成の件だけは参考になりませんでした。でも、字幕の世界がかいま見
られて面白かったです。

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  では、次回の語ろうかをお楽しみに。

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