これはNHKで放送されている「クイズ日本人の質問」という番組をご存じで
しょうか? 日曜日の午後7時20分から放送されているバラエティです。内容は、
ある問題について、4人の博士と呼ばれる人が正解のような答えを言い、その中
から本当の正解を当てるというものです。(つまり、残りの3人はもっともらしい
嘘なわけです。)
この番組で取り上げられた質問は本にもなっています。単行本で1〜4巻まで出て
いますが、河出書房新社からKAWADE夢文庫シリーズで「クイズ 日本人の質問」
(480円)が安くて買いやすいです。番組の応援ということで、買い支えるのも大
切かと思います。
さて、質問の内容は色々ありまして、歴史、物作り、語源、現象に分類でき るようです。以下のゲームでは物作り系統の質問がやりやすいです。例えば「サ ランラップはどうやって作るの?」と言っておいて、4人の人に「ローラーで延ば す」「風船のように膨らませて潰す」「液体の表面を固める」「叩いて延ばす」 という表現をやってもらい、どれが正解かを当てるわけです。物作り系統だと、 話が具体的なので表現しやすいわけです。準備が十分にできるなら、回答者から 質問もさせて、受け答えをやれば、さらに盛り上がるでしょう。
「手話では抽象的な話はできない(難しい)」という俗説があります。そんな
ことはありません。私は手話で沢山の抽象的な話を聞きました。
抽象的な話が難しいのは、その人の手話のレベルがまだまだだからです。そして、
それは手話に限らず、どんな言語でも十分に習得していないうちは抽象的な話は
難しいのです。これは逆に考えれば、初心者には具体的な話の方がやりやすいと
いうことにもなるはずです。そういう発想で考えたのが、このゲームです。
質問に答えるあたりはかなりの技術を要するのですが、内容を具体的なものにす
ることによって、見ているだけでも楽しく、わかりやすいものになったと思いま
す。
ただ、これが元で「抽象的な話は難しい」と思われると困ります。このゲームが
じゅうぶんこなせるようになったら、次は抽象的な内容でクイズを出してみてく
ださい。